ひがしね動物病院

③ペット達に関する豆知識

ペット達に関する豆知識です。

避妊・去勢手術に関する豆知識を更新します。
★ 今回は避妊・去勢手術のデメリット(#2)
 を掲載します。
  メリットは前回(#1)に掲載しています。

1 避妊・去勢手術のデメリット(#2)
 (1)体重増加 
    避妊・去勢をした多くの犬や猫で体
         重増加がみられます。ただし、飼い主
         さんが食餌管理を徹底することや、カ
   ロリー制限した太りにくいペットフー
   ドに切り替えることで予防することが
   できます。
   (一説には30%のカロリー減が必要と
   言われています。)
 (2)失禁するようになる。
    メス犬で避妊をした子(特に中型~
   大型犬)に、稀にみられます。
 (3)特異体質による危険性
    特異体質により血液凝固能が低い個
   体の場合、通常では止まる出血が止ま
   らない場合があります。(先天性疾患
   血友病など)
 (4)全身麻酔による危険性
    全身麻酔をかけることによるリスク。
    当院では高齢の場合、去勢、避妊を
   問わず血液検査を行い、リスクを少し
   でも少なくするようにしていますが、
   それでも100%安全だとは言えません。
    人の医療の世界では盲腸や帝王切開
   においても全身麻酔を使わなくなって
   きています。なぜか?それは全身麻酔
   がそれだけ危険性が高いからです。
    当院での麻酔(手術時)は、導入麻
   酔後、気管チューブを挿管、気道を確
   保した上で吸入麻酔(イソフルラン)
   を使用しています。麻酔中は心拍数、
   心電図、呼吸数、呼吸気二酸化炭素濃
   度、動脈血酸素飽和度などをモニター
   しながら不測の事態に備えております。

2 避妊・去勢手術のメリット(#1)
 (1)発情や妊娠がなくなる。
    避妊手術をしていないメス犬では、
   発情後に妊娠していなくても性周期に
   よって偽妊娠というものが起こり、体
   調や気持ちが不安定になる子がいます
 (2)メスの子宮蓄膿症・乳腺腫瘍の予防
    当院では卵巣子宮摘出手術を行って
   いますので子宮蓄膿症はしっかり予防
   ができます。また乳腺腫瘍はメス犬の
   中で一番多い(全体の約70%)といわ
   れており、その乳腺腫瘍の予防効果は
   避妊手術の時期に依存します。避妊し
   ていないメス犬と比べると、初回発情
   前に避妊手術を行えば99.5%、1回目
   発情後は92%、2回目発情後は74%の
   予防効果があります。具体的には生後
   8~12ヵ月ぐらいでの手術が適齢で
   す。
 (3)オスのマーキングがなくなる。
    猫では80%~90%が、犬では約50
   %でマーキングが無くなります。ただ
   し、発情したメスが周囲にいる場合や
   ある程度の年齢になってから行った場
   合では手術の効果は薄れます。犬では
   優位性を示すために腰を振るなどの行
   為は残ることがあります。
 (4)オスの精巣腫瘍、前立腺肥大、会陰
   ヘルニア、肛門周囲腺種などの将来起
   こるかもしれない病気の予防ができま
   す。
 (5)しつけがしやすくなる。
    オス犬はメス犬に対する興味が薄く
   なり、人間の指示に対する集中力が出
   てきます。ただし、根本的な性格の変
   化は望めません。
 (6)皮膚病の改善
    それまでに皮膚病に悩んでいた子が
   手術後、体質が変化し、改善すること
   があります。 (いわゆる性ホルモン
   反応性皮膚炎)

3 ワクチンで予防できる猫の病気
(1)猫汎白血球減少症
 ① 白血球が極端に少なくなる病気で、
  パルボウィルスが病原体。高熱、嘔吐、
  食欲がなくなり、下痢が始まると脱水
  症状になります。
 ② 体力のない子猫などは、たった1日で
  死ぬこともある怖い病気です。
 ③ ワクチンを接種していれば、たとえ感
  染しても非常に軽い症状で済みます。

(2)猫ウィルス性鼻器官炎
   (通称:猫風邪)
 ① ヘルペスウィルスによる感染症で、ひ
  どいクシャミ、セキ、鼻炎などの呼吸器
  症状のほか、結膜炎を引き起こします。
   高熱で食欲がなくなり鼻水と涙で顔中
  くしゃくしゃ。典型的な風邪の症状がみ
  られます。
 ② 皮下点滴や抗生剤、インターフェロン
  などで治療しますが、一度かかってしま
  うと完治まで時間がかかり、慢性化して
  しまうことも多々あります。
 ③ ワクチンを接種していれば、たとえ感
  染しても軽い症状で済みます。ワクチン
  は具合の悪い時には接種できませんので
  元気な時に接種してあげて下さい。
  ワクチンは成猫ならば1年に1回、子猫
  の場合は複数回の接種が必要となります
  ので、病院にご相談下さい。
   
(3)猫カリシウィルス感染症
 ① かかりはじめはクシャミ、鼻水、発熱
  など猫ウィルス性鼻器官炎に大変良く似
  ています。
 ② 症状が進むと舌や口の周辺に潰瘍がで
  きることもあります。
 ③ 時には急性の肺炎を起こして死亡する
  こともあります。
 ④ ワクチンを接種していれば、たとえ感
  染しても非常に軽い症状で済みます。
  
★ ワクチンについての詳しいパンフレット
 は病院に常時準備してありますので、いつ
 でもご確認下さい(^^)
 
4 熱中症に注意!
 ① 蒸し暑い室内や車内は危険です。
   気温25℃、湿度60%を超えると熱
  中症にかかりやすくなります。密室での
  お留守番は5分でも致命的です。
 ② 気温が高い日の散歩や外出
   人間よりも地面に近い所を歩くので、
  動物は地面からの放射熱を多く受けます。
  また熱々のアスファルトは肉球のやけど
  の原因にもなります。朝、夕方の涼しい
  時間帯にお散歩しましょう。
 ③ 熱中症の症状と応急処置
  ・ 症状:ハアハアと息が荒い。ぐった
   りしている。舌の色が濃く赤黒い。
  ・ 応急処置:風通しの良い場所に移動
   し、水分補給させます。全身に水をか
   けたり、冷たい濡れタオルや氷水を入
   れたビニール袋をタオルでくるんで、
   頭やわきの下、後ろ脚の付け根にあて
   ます。
  ・ その後、安静の状態を保って、速や
   かに動物病院に連れて行きましょう。

5 動物が出会う中毒(有害植物)
 ① アサガオ
   有毒部分:種子
   症状:嘔吐、吐き気、下痢、
  反射低下、幻覚、血圧低下など

  暖かくなり色々な草花が咲いています。
 動物にとっての有害植物は意外にたくさん
 あります。園芸店の植物や散歩中に触れて
 いる植物等あまり知られていないものもあ
 ります。動物達のためにも有害植物を知る
 ことは不幸な中毒事故を未然に防ぐことに
 もなります。

★ このページは定期的に更新していこうと
 思いますので、よろしくお願いします。
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